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2026.11.05コラム

ロボコンで理系人材(シバセ工業社長による朝礼)

 私の卒業した岡山県の里庄中学校では、ロボコンが盛んに行われています。里庄町は「日本の原子物理学の父」と呼ばれる偉人の仁科芳雄博士の出身地で仁科芳雄記念館があります。仁科博士は大学では物理学ではなく電気工学を学んでいましたので、1993年に仁科芳雄博士顕彰事業の一環として始まったロボットコンテスト(ロボコン)は、創意工夫しながらロボットを製作し、競技に参加することを通して、科学する心を育むとともに、独創性や協調性、集中力を備えた健全な青少年の育成に資することを目的としています。仁科博士の言葉には「環境は人を創り 人は環境を創る」というのがあります。

 

 私の子供も里庄中学校に通いましたが、この時ロボコンに参加しました。当時の里中はレベルが低くいつも1回戦で負けるような状態でしたので、親として何かできることはないかと自分から中学校に支援を申し出てロボット製作の指導などに参加させてもらいました。ポケットマネーで部品を提供したり、アイデアを出したりしながら、熱心な先生の参加もあってその後の里中のロボコン部は毎年優勝する強豪校に育ちました。そしてロボコンをやるような子は、理系に進みます。

 私は自分の子供を理系に育てたかったので、そうなるように環境を創ってきました。子供に与える玩具は、ブロックなどの組み立てるものであったり、プラレールやプラモデル、ミニ4駆であったり、ロボットも自分で組み立てるもので完成品は与えません。工夫して自分で考える環境が人を創っていきます。そして私の子供は理系に進み、今は遠く離れた他の会社の開発部に入って活躍しているようです。

 シバセ工業としては、理系の人材が欲しいのですが、一方途中で辞めてもらっても困ります。いくら優秀な社員でも途中で辞めると会社にとっては大きな損失です。会社を辞める人を分析すると、通勤距離が長い人は辞めていく傾向がありました。一方会社の近くから通っている人は辞める人は少ないようです。そこで、採用に関して地元の人を採用しようということになりました。地元の出身者にも理系の人材はいますが、大学で理系を学んでも就職する時には中央の会社に入って地元には帰ってきません。それは、地元には理系の人材が活躍できるような職場がないからです。シバセ工業では、理系人材の職場となれるようにモーター検査装置を事業の一角に据えました。

 次は理系に進む地元の子供を増やす取り組みです。地元のロボコンが活発になればロボコン部に入ろうとする子供も増えます。ただ会社で応援出来ることは、テレビ放映用に協賛してテレビ放映を無くさない事くらいです。これは放送時に広告用にテロップも流れますので宣伝広告として会社での支援も可能です。またロボットを強くするには、良い部品を使うことも重要です。会社でも同じですが、悪い部品では良い製品は出来ません。ただ部品を買うにはお金もかかりますが、会社からお金は提供できませんし税金を使うのも限度があります。私は、卒業生が後輩のために個人として支援する形がよいと考えています。理系人材を増やして、地元に活躍できる職場があれば、勉強して経験を積んで地元に帰ってくるかもしれません。地元の企業に入って新製品を開発して事業が拡大して会社が成長すれば、地域の人口も増えて地元が活性化することになります。シバセ工業で目指しているのは、そんな世界です。

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