ストロー豆知識
人類史のストローの始まり
紀元前4千年〜3千年前頃、古代メソポタミア文明のシュメール人によって、ビールに関する製法が「モニュメント・ブルー」と呼ばれる陶板に描かれている。その作り方は、麦を乾燥して粉にして、焼いたパンを砕いて水を加え、自然の酵母で発酵させるというもの。そのビールを飲むときに、葦(アシ)のストローが使われたというものです。古代のビールですから、沈殿物や浮遊物があるわけで、それらをよけて澄んだ所のビールを飲むのに葦のストローが使われたわけです。そんなわけで、ビールに限らず澄んだ水を飲むなど、昔から人間の知恵としてストローが使われていたかも知れませんね。
日本の商品としてのストローの始まり
近代日本におけるストローの始まりは、岡山県の南西部に位置する寄島町が発祥と言われています。寄島町史によると、明治時代に始まった真田の生産が原点で、麦稈真田(麦藁で真田紐のように編んだもの。)を用いた麦稈帽子(麦わら帽子)の生産が始まったのが明治34年ごろで、同じ頃に、麦稈を原料としたストローの生産が川崎三一の手によって始められたとなっています。つまり、最初のストローは麦藁です。英語でstrawは、藁(ワラ)のことですので、ストローの名前は麦藁からきているのです。ちなみに、strawhat(ストローハット)とは麦わら帽子のことですね。麦稈ストローから始まったストローも、原料の麦稈が農業構造の変革から減産したことと、原料の品質が不揃いであることから、紙ストロー(紙麦藁帽子を巻いて筒状にしたストロー)へと移行するも、消費の伸びから需要に応じきれず、ビニールストローへと移行し、そして、現在のポリプロピレンを原料としたストローに至っています。すなわち麦わらを模した中空の形状や用法は変わっていない事から現在でも変わらぬ『ストロー』という名で呼ばれ続けています。

シバセストローの主原料、ポリプロピレン(PP)ってどんな材料ですか?
外見はポリエチレンに似ていますが、もっと硬く引っ張りに対しての強さがあります。1954年にイタリアのジュリオ・ナッタが発明し、1957年よりモンテカチーニ社により本格的に生産開始されました。比重は0.9〜0.92と汎用プラスチックの中では最も軽いのも特徴で、耐熱性はポリエチレンよりも高く110℃くらいです。しかも硬質でありながら折り曲げに対しては非常なまでの強さを持っており、CDケースやフタ付きのケースなどは何度も折り曲げを行っても切れないのはこの性質を使っているためです。もちろん曲がるストローに最も適しているといえます。また、ポリプロピレンは絶縁性が高く薬品にも強いという性質を持っています。PP(ポリプロピレン)『ストロー以外の使用用途』:電化製品や通信機器の絶縁体、薬品の容器・包装等。写真の半透明なのがPP(ポリプロピレン)で、赤や黄色の粒は、着色剤です。PP自体は色はありませんので、白や赤など色を付けるときに着色剤を配合します。


ストローはどうやってつくるのですか?
原料となるプラスチックの樹脂を押出機という機械の中で温度を上げて溶かします。押出機の先端部分にはダイスと呼ばれる口金があって先端にリング状の隙間があります。ここから溶けた樹脂をトコロテンのように押出すと筒状のストローが出てきますが、すぐに冷却水槽に入って形が整えられます。数メートル先には、引き取り機というローラーがあって、押出機から出てきたストローを高速で引張っていて、その中間に冷却のための水槽があります。溶けた樹脂を高速で引張ることで薄肉の連続したストローが出来上がります。引き取り機の直後に、回転するカッターが付いていて、一定の長さのストローが連続して出来上がります。
詳しくはこちらストローの曲がる部分はどうやってつくるのですか?
最初に真っ直ぐなストロー(ストレートストロー)を作っておいて、ジャバラ加工機(フレキサー)という機械で曲がる部分を成型加工します。作り方は、ストローの所定の位置に、ストローの円周上に一定の間隔で山と谷の折り目をつけます。その後、ストローの両端をつかんで、折り目の部分を内側へ押してやると、折り目をつけた山と谷の部分が折り曲がって縮んできます。このときに、ストローの中に芯棒を通してやるのがコツで、芯棒がないとストローがゆがんでしまってうまく折り曲がりません。ところで、ストローの曲がる部分の正式名称は何というのでしょうか?当社では、フレックス とかジャバラ(蛇腹:蛇のお腹のように見えるから?)とか呼んでいます。

ストローの線にはどういう意味があるのですか?
昔からよく見かけるストローに入っているカラフルな縦線、当社では"ストライプストロー"と呼んでいますが、この縦線、意味は特にないんです。デザイン目的で付けたところ、ヒットして定番品になったというのが真相で、現在でも売れ筋商品です。この縦線は、押し出しているストローに、薄く直角にライン原料を当てて線を引いています。その為、横線を引くことは出来ません。当社では、白とクリアのストローに、赤、黄、緑、青の4色のラインがあるストライプストローを販売しています。

ストライプのストローはどうやってつくるの?
ストロー押し出し機の出口付近に、ライン専用の押し出し機があります。ライン専用の押し出し機で溶け出た原料は、その後4本に枝分かれして、ストローに直角にあたるように出てきます。その量はごくわずかで、ちょうどマジックでストローにラインを引くイメージです。

ストローで何故ジュースが飲めるの?
深く考えた事はないと言う方が大半かと思いますが、端的に申しますと「空気がジュースを押しているから」です。地球上のものは全て大気圧がかかっています。ストローを吸うと中の気圧が下がり外のジュースは見えない力(大気圧)で押されているので、ストローの中を上がり口に届くのです〜。理論上は10メートル位までの高さまでは飲めるらしいですが、実験では約8メートル位だったとかどうとか!? 勉強になりますね。

喫茶店のアイスコーヒー用ストローは何故細い?
ストローで最も一般的な口径は6㎜なのですが、喫茶店のアイスコーヒー用は4.5㎜が使われている事が多いと思います。昔ながらの喫茶店のマスターに何故かと質問した事があるのですが、「ゆっくり味わって飲んでもらいたいから」と即答でした。ゴクゴクではなくチビチビと飲む方が美味しく感じられるのですね。たかがストローですがやはり様々な仕様が要望され、当社標準品が200種類以上ある事も必然的だと改めて思うこの頃です。

ストローとボクシング
そう言えば昔、ボクシングで「ストロー級」と言う階級があったような記憶が…調べてみますと最軽量級でやはり存在しており、1998年に「ミニマム級」に変更されたようです。細くて軽い人の例えにストローが使われていたと言う事のようです。シバセ工業もストロー業界で細く長く愛され、チャンピオンベルトを目指したいです。

